一ひらの白い埃

一晩中、
カラスの声が鳴り響いていて、あまり眠れなかった朝。

いつものように朝を迎えて、朝の支度をする。


ふと鏡を見たら、髪に埃がついていた。

それを手で取ろうとすると、

その、一ひらの埃が、フワっと空中に、
ゆっくりと舞い上がった。


それは一瞬、白い糸のように輝いて、
とても綺麗だった。

埃さえも美しく見える朝。


あの白い埃は、何を教えようとしてくれたのだろう?